2015/02/03

大手と中小の長所を融合

「組合員どうしの仲の良さに衝撃を受けた」。日本ローカルネットワークシステム協同組合連

合会の東海北陸地域本部で事務局長を務める佐藤義憲さんは、平成17年10月に入社した

当時の思いをこのように振り返る。それまでは大手物流会社で総務部門、経理部門、情報

管理部門など、ありとあらゆる部門を経験したほか、行っていない県は新潟県だけというほ

ど単身で各地を飛び回っていたという。当時はアライアンスなどという言葉はなくライバルど

うし荷物の取り合いの時代だった」。そうした生き馬の目を抜くような時代に揉まれてきた佐

藤さんだが、自身が長男で親の面倒を見る必要があったことから、地元名古屋に帰りたいと

常々思っていた。そんな折、ローカルネットの求人案内が目に止まり、すぐに応募した。大手

から中小企業が集まる組合への転職について不安はなかったのか。佐藤さんは「むしろこれ

までの経験を生かせる」とまったく迷いはなかったと話す。入社後は、メールによる全組合員

への連絡送信や請求書のウェブ化などITを駆使して効率化とコスト削減を図った。しかし、佐

藤さんが何より高く評価されているのはIT化の促進だけではなく、持ち前のフットワークの軽さ

と人脈形成術だ。連合会で運行管理者指導講習実施機関の認定を受けてはどうかという案

が浮上した際、どの地域よりも早く取り組み資格を取得。その後、佐藤さんによる一般講習は

各地で好評を博している。また、中部運輸局にも頻繁に出向き行政との情報交換を行ってき

た。「分からないことがあれば聞くのがいちばん」と、出向く労を惜しまない。そうした積み重ね

もあってか、それまで業界団体といえばトラック協会のみを見がちだった行政が、最近はJLの

重要な大会には部長クラスが来賓として参加するようになっただけでなく、懇親会などにも積

極的に参加し意見交換をするようになった。そして以前にも増して行政側から意見を求められ

るようにもなった。それは加藤浩幸会長をして「佐藤がいなければ今の運輸局との関係はなか

った」と言わせるほどだ。生真面目な性格から時に衝突することもあるというが、そんな時にも

ローカル持ち前のコミュニケーションで解決してきた。「ローカルネットは皆さん真面目で前向き。

全員が力を合わせて問題に取り組んでいる。私はもはや運送事業者ではないが、そんな皆さん

の仲間に入って少しでも物流業界の地位向上のお役に立てればこれ以上の幸せはない」と話

す。

 

2014.12.10